Merry Christmas to me (and you)

クリスマスの想い出ってあるかな、と考えてみたんだけれど、余り思い浮かばない。大昔、毎年家族で食事に出かけたな、ということを憶えているが、いつからか足を運ばなくなってもう久しい。あなたと同じように無宗教で、あなたと同じように、クリスマスにかこつけて、浮かれた気分になることも嫌いじゃない。けれど昨日はなぜかそんな気分にはなれずに、25歳男子の電話も愛想無く切って、珍しくテレビを見て、溜まっていたDVDを観て、過ごした。
日記を振り返ると、去年もDVDを観ていて、少し自嘲する。それでも去年はもう少しクリスマスらしい映画を観ていたものだけれど、今年はそんなことすらも考えないで、いよいよなんか色々終わってるな、私。とか思ってさらに自嘲具合が進行し寂しい奴のクリスマスの定番!いっちょ更新でもすっか!ガッハッハ、とキーボードに目をやる、前に机に挟んである写真が目に留まって思い出す。
日付は「'95 12 25」。10年以上前、クリスマスに撮った写真。


つい最近のことさえマッハで忘れて行く私にとってまるで石器時代の如き太古だが、おぼろげな記憶によると、当時の担任がなにがしかの事情で職場を離れることになり、2学期以降私たちのクラスでは新しい先生を迎える事になった。私たちの学校はその頃からもう生徒数がかなり少なく、それゆえ教員の数も比例して少人数だった。年齢的にもいわゆるおっさん、おばはん、なかにはババア、と言った人たちばかりで、そんな中教育実習も終えたばかりか、といった風情の年若いその先生は生徒達にも人気があったことを覚えている*1。こと現在に至るまで、教師という職業に対する私の評価は不当に低く、仲が良い(良かった)と言える教師も数えるほどだが、その先生とは物凄く薄い縁(母親の知人の娘の婚約相手、とかそんなレベル)もあってか、まあ、仲が良かった方だろう。今も悪い印象は無いし。
冬休みになるころ、何故あんな場所を選んだのか解らないが学校からはえらく遠い店でボウリング大会をすることになり、それでも写真を見る限りクラスの8割ほどは集まっている計算になるので、やはり人気・人望はあったのだろう。とにかくそれで写真を撮って、なんとなく机に入れておいて、なんとなく10年経った。


それから私は私立の学校に通う事になって、親友と思っていた人とさえだんだんと疎遠になり、大学に入って地元を離れて、机に入れたままの写真もただただ色褪せていくばかりで。けれど、写真の中で幼い私が笑っていて、ブサイクの女子とその弟も、先生も、お兄さんが逝ってしまったという男子も、今では母親になったらしい女の子も、転校してメンヘラーになった男の子も、その頃好きだった人も。
一枚の写真の中で思い思い、めいめいがイイ顔で収まっていて。


そのことを今思い出して、今年のクリスマスも中止と聞いていたけれど、い、祝ってあげてもいいんだからねっっ!!という気分には、なった。
とりあえず明日(日付変わって今日か)は、冒頭の男子に電話して、遊びに誘ってやるのもいいかな。


最後に、こんなダイアリーを読んでくれている皆様にも、メリークリスマス。『みんなに素敵な笑顔積もりますように』
カナシミ Completely Recorded

*1:とみに、クラス内でも器量良くはなかった女子が「先生大好き!」と公言していて、周りのみんなはああそうかい、と思っていたが多少の揶揄こそすれど全て否定する事は無かったように思う。子供は意外と優しい