あなたの言葉は届かない

ある相手、に伝えたいメッセージ、があるとして、例えば英語を話す人に日本語で話しかけても通じる事が稀なように、相手にわかる言葉で話すことが必要で、さらにいうと同じ言語を話しているからって文化圏が違えば表現も変わるしジャーゴンも生まれるし、緊密にメンテナンスしていなければプロトコルに齟齬が生じてはいそれまでよさようなら、ということだって起こる。
というか起こったんだけれども。まあそれはいいとして。


言葉の力で誰かを変えてみせるっていうことはとても簡単で難しいことだけれど、一つ言えるのは「本気」と書いてマジに思いをこめないと無理な仕事だろう。
もろもろ条件満たしたうえで相手に意思が通じて、あいわかり申した、となれば儲け物でたいていは馬の耳に終わる。その間に費やしたエネルギーを無駄だとは思わないし、皮肉でなく好きなだけやってください、と思うけれど、やっぱりもう少し上手いやり方っていうのも事実ある。


「自分の言葉」を貫き通す姿勢を間違っているとは思わないけれど、あなたが闘っている相手は荒っぽい言葉遣いも容姿を指した揶揄も過去の事例の並べ立ても、最悪なことに理詰めでムジュンを「つきつける」ことも遥か通り過ぎた妖怪変化のたぐいで、正直処方も無い。が、とりあえずあなたの今取っている手はあらかた効いてない、だろう。


それでもあなたは同じように、似たような言葉をこれからも並べ立てるだろうけれど恐らく、それは何一つ変えることは無い。
私ならもう勝つことより負けないことを目指すけど、まああなたは好きなようにすればいいよ。皮肉でなく。