「UTADA UNITED 2006」行ってきました

芸能とは異能であり、芸能人とは異形であり、うたうたいは巫女であり、預言者である。
マス・マーケットにおいて「神」とはすなわち大衆であり、日本一CDを売った宇多田ヒカルは、ならば最も神に近づいた少女、であった。
が、その神通力はもはや失われた。
数字で物事を量ることに慣れすぎた私は、へんな衣装で唄う、背丈も高くはない23歳女性を、そんなこと思いながら観ていた。


ウタダ、実を言うとかなり好き。
特に3rd"DEEP RIVER"4th"ULTRA BLUE"だいぶ聴いた。
そのあたりのアルバム曲をやって欲しかった、んだけども。
6年ぶりの全国ツアーで、客層も考えると、シングル曲中心のセットリストになるのは仕方ないか。
ならベスト出した時にツアーやっとけよ!
って一瞬思ったんだけどそういえばその時期はご病気だったのでした。ごめんね。


一万人の「神」(の一部)の前で、"EXODUS"は聴いてない人が多いのか割と置いてけぼりな感じのUTADAパートを、自身相当思い入れがあるだろう"Letters"を、歌いながら、彼女は何を思ったのか。
あるいは、何を想わなかったか。
私は彼女がこっちに歩いてくる度に「ウタダキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !」って思ってました。
アホでしょ?


つまり、CDが売れなくなっても、私は彼女が好きだ。
っていう、ただそれを確認するために、行き慣れないコンサートなんか行ったわけだ。
それで良いんじゃないだろか。
席の位置から、セリで出てくるのがバレバレだったけど、開演して、初めて数十メートルの距離で彼女を見て「やっと会えた…」と思ってしまったから。


アンコール、へんな衣装じゃなくて、だいぶ普通な感じのキュートな服で出てきて、"Automatic"と"光"を歌った。
デビュー曲と、自らの名前を冠した曲。
どちらの曲も、彼女のターニングポイントの一つだろう。
この二曲の間、「歌うことが大好きな、ただの女の子」が、私たちの目の前で、ただただ眩しく、この日一番「光」を放っていた、ように見えた。


蛇足ですが。
キリキリはすごいどうでもいい感じでああ、キリキリですね…っていうね。
キャシャーン、じゃねえ「誰かの願いが叶うころ」でまた戦争映像出してきてああ、また…
っていうね。
まあいいですよね。キリキリだし。
まあKeep Tryin'のアレも小賢しい…っていう
このへんでやめとこう。