Letters

自分の人生がつまらないものだったとは思わないが、さりとて取り立てて面白いものとも思えないまま過ごして来た。
だから、というわけでも無いけど、身近な他人(ひと)の人生、の事件とか、が気になった。
ひところ周りの人々、あるいは離れて行った人たちのいわゆるvirginについて人に会う度訊ねていた時期があったけれども、それはそれが「自分に近い履歴を辿った人間の、近い時期に最も起こりうるだろう大きな事件の一つ」だったから、というのも一つ。
そしていくつか、そういう話を聞いて、満足した。


こっちに帰って来て、もっと古い、小学校時代の友人、幼なじみ、にもローソンとかでばったり会って、最近どうしてんのって、誰それが就職しただの、誰それが結婚して子供産んだだの、で
平凡で運命的なストーリーはやっぱり進行していて、とても祝福したい気持ちになった。偽善というかなんというか何だろう。


何年か一緒に過ごした人に、何か仮託して、何を望む訳でもないけどただそれだけ、何年かに一度でも、生きている、と消息だけでも、死んだならまた「死んだ」と知りたいのです。